- 作者: S.シルヴァスタイン,Shel Silverstein,川上弘美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本
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たくさんの化け物が紹介されている絵本です。こういう本は化け物の名前をどう訳すかで訳者のセンスが試されるのですが、川上弘美ですからその辺は心配ありません。「テアシカオ」とか「ずんぐりどの」とか「ながいながい首のきてつな男の子」とか、名前をみただけで興味をそそられます。
化け物はどれも個性豊かです。たとえば一本足のバクのような姿の「イッポンアシ」の説明はこう。
イッポンアシには しんせつにしてあげて
気持ちを よおく考えてあげて
ダンスにさそったり しないであげて
こういう笑えるのもいれば、怖い化け物もいます。鋭い牙を持ちビルよりも巨大な「どうもうなアゲサゲ」なんかは、こいつにあったら絶対生き残れないと思えるような恐ろしい化け物です。ところが語り手の「ぼく」は、わりとあっさりこの化け物を撃退してしまいます。
そりゃあこわかったよ
でも勝ったんだ
どうやって?
いやなに こうやって ぱちん て
あかりをつければ いいだけなんだけどね
つまりこの本に登場する化け物は、子供がひとりで寝ているときに空想する化け物なわけですね。