「少女A」(西田俊也)

少女A (BEST CHOICE crew)

少女A (BEST CHOICE crew)

少女A (徳間文庫)

少女A (徳間文庫)

  • この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。
  • この作品はフィクションですが、視覚による情報は含まれていないので、「非実在青少年」とはいっさい関係ありません。おそらく。

男子が女装して女子高に通うという、おそろしく紳士的な設定の作品です。念のためお断りしておきますが、18歳未満は購入できないたぐいのゲームの話をしているのではありません。福武書店の「BEST CHOICE」という児童書レーベルで1992年に刊行された、れっきとした児童文学です。
「BEST CHOICE」は、80年代後半から90年代にかけて刊行された児童書レーベルです。海外YAやファンタジーがほとんど見向きもされなかった時代から良質な作品を多数翻訳してその後のブームの土台をつくったり、日本人作家では荻原規子ひこ・田中をデビューさせたりと、その功績ははかりしれません。西田俊也の「少女A」によって、「児童文学には性のタブーがある」という迷信に引導を渡したことも、このレーベルの功績のひとつとして記憶されるべきでしょう。
さて、主人公のナオは内申書を偽造して女子高に潜り込んだのですが、当然ながらずっと正体を隠しておくことはできません。スズナカという同級生に男子であることを見破られてしまいます。この後の展開がすごい。
ここでお断りです。東京都青少年保護条例改正案が怖いので、以下自主規制を行い伏せ字を使用します。読みにくいとは思いますがご容赦をお願いします。
スズナカはナオをXXXXXに連れ込みます。ナオは初めてだからXXXXXのXXXもわからずとまどいます。しかしスズナカは手慣れた様子でナオのXXXにXXXXXをXXし、XXXXXXX。その後ふたりはクラブ活動と称して放課後にXXXXする仲になります。スズナカにはXXXがあり、あろうことか校内でもお構いなしにXXXXX、他の生徒にXXXXXX。これだけでもひどいのに、さらに(自主規制により二十七文字削除)、まったくけしからん。
(さらに原稿用紙一枚相当削除)。
XXXXXはXXXで、XXXXXXXXXXです。XXXXをXXXXXXすると当然XXXXXになるはずですが、ところがXXXXXXXXXXXXXX。困ったナオは、XXXXXXXXXをXXXXXXしますが、やはりXXXXXXXXXXXXX。
(これ以上やると手抜きだということがばれそうなので、ここらで止めておきます。)
ナオとスズナカの間には、いっさい恋愛感情はありません。スズナカのセリフをそのまま信じるならば、彼女は性行為を「運動」みたいなものだと認識しているようです。「性のタブー」を破壊すると同時に、ロマンティック・ラブ・イデオロギーもずたずたに破壊しているのがこの作品の大きな成果です。