「のどか森の動物会議」(ボイ・ロルンゼン)

のどか森の動物会議 (子どもの文学青い海シリーズ)

のどか森の動物会議 (子どもの文学青い海シリーズ)

のどか森に住むカラスの大食いヤコブスは、人間の住むかわず村を物色して食べ物を探していました。そこで村長マグヌスがとんでもない提案をしているのを聞いてしまいます。みんなで金持ちになるために、のどか森の木を切り倒して売り払おうというのです。大食いヤコブスはのどか森に帰ってこのことを触れ回ります。そして、のどか森の村長小人のペーターを中心に森の動物たちで会議を開かれ、対策が練られることになります。
一言で言うと自然との共生がテーマの童話なのですが、動物たちがそれぞれの特性を生かして人間に嫌がらせをする様子がおかしい娯楽読み物として楽しめます。
動物たちはまず手紙を出して交渉しようとするのですが、マグヌス村長はこれを黙殺、動物たちは実力行使に出ることになります。
カラスたちが落ち葉や枝で煙突をふさいで、家の中を煙だらけにして人間をいぶり出したり、夜中にスズメバチと蚊が波状攻撃を仕掛け、さらに外で動物たちが吠えて人間を眠らせないようにしたり、創意工夫に富んだ多様な嫌がらせを繰り広げます。そして最後に動物たちは世界をさかさまにするという奇跡を起こしてしまいます。