「ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう」(安斎育郎/編著)

ホントにあるの?ホントにいるの?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

ホントにあるの?ホントにいるの?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

これってホントに科学?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

これってホントに科学?―ウソ?ホント?「ふしぎ」を科学しよう

藤野恵美の「七時間目」シリーズとあわせて、小中の全学校図書館が置いておくべき本です。「ホントにあるの?ホントにいるの?」では超常現象をテーマに、「これってホントに科学?」ではニセ科学をテーマに取り上げ、子供向けに平易な言葉で科学的な考え方の大切さを訴えている良書です。
いきなり超常現象やニセ科学を否定せず、まずそれについて興味を持たせるような書きかたで丁寧に解説してから、でもここってヘンだよねと問題の本質に迫っていく構成が巧妙です。本の中にはイラストも多用されていて非常に親しみやすいです。それでいながら、科学って再現性が大事なんだよとか、二重盲検法ってこんな意味があるんだよとか、大人でもなかなか知ってる人が少ないような高度な話にまで導いていきます。
執筆陣には中学校や高校の先生が並んでいます。目の前の生徒をよく観察し、こういう言葉なら子供たちに届くだろうかと考えながら真摯に執筆する姿勢が伝わってきて、好感が持てます。

「人間はまだ知らないことはたくさんある」ということは事実ですが、長い科学研究の成果として「人間が知ったこともたくさんある」のです。科学は人間が知ったことを体系化したものです。大事にしましょう。(「ホントにあるの?ホントにいるの?」p23)