「怪盗レッド3 学園祭は、おおいそがし☆の巻」(秋木真)

「怪盗レッド」シリーズ第三巻。アスカとケイの通う学校は、学園祭の準備で盛り上がっていました。そんな中、生徒会長が行方不明になる事件が発生。平和な学園の裏でうごめいていた陰謀とは……?
というわけで、今回が学園ものです。学校といえば子供たちが日常を過ごすおなじみの空間ですが、それをいかに装飾して非日常空間に塗り替えるかということに工夫が凝らされています。
前半は学園祭という非日常イベントで盛り上げています。ここでは、現実の学校行事の範囲からあまり逸脱させず、実際にありそうな楽しさを演出しています。しかし、事件が起きると一気に非日常性を高めて豪快に嘘をつきます。ここにエンタメとして絶妙のバランス感覚が表れています。
肝心の部分については詳述できませんが、体育館という誰もが知っている空間がバトルの舞台としてあざやかに塗り替えられていることに感嘆しました。このシリーズは、映像的なおもしろさを追求することに強いこだわりを持っているようです。