- 作者: ジョセフダグニーズ,ジョンオブライエン,Joseph D’Agnese,John O’Brien,渋谷弘子
- 出版社/メーカー: さえら書房
- 発売日: 2010/09
- メディア: ハードカバー
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イタリアの数学者フィボナッチの生涯が描かれた絵本です。数にしか興味がなかったため周囲から「のうなし」と馬鹿にされながらも、自分の道を貫いて西洋にアラビア数字を持ち込むという偉業を成し遂げたフィボナッチ。彼のひたむきな生き方はとても美しいです。
もうひとつ、この作品で描かれている美しいものは、言うまでもなく数学です。そもそも「美」という言葉は数学のためにあるのですから。フィボナッチ数の並びを見ているだけでうっとりしてしまうではありませんか。
兎のつがいがフィボナッチ数に従って増えていく有名な「兎の問題」も、ジョン・オブライエンによる美麗なイラストで再現されています。
本の最後では、晩年のフィボナッチが読者に向かって「この本を、はじめからもう一度よく見てごらんなさい。自然界にあるわたしの数を見つけることができますよ」と呼びかけています。この本には花弁や貝の渦巻きなどフィボナッチ数がたくさん登場していて、二周目も楽しめる仕掛けになっています。
数学に支配されているこの世界の美しさを堪能できる、いい絵本でした。