『絵とき 生きものは円柱形』(本川達雄/文 やまもとちかひと/絵)

絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集)

絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集)

『歌う生物学』で有名な生物学者本川達雄による絵本です。

生きもの 円いぞ かどがない
まあるく すんなり 細長い
円満 円想 円柱形
カイコに ナマコに ヘビ ミミズ
みんな おんなじ 円柱形
円柱なかま
http://www.fukuinkan.co.jp/detail_page/motokawa/nakama.html

生物の構造やふるまいには、必ず生存のための理由があるはず。生物学は、そういう信念のもとで生物の謎を探求していく学問です。そのため、生物学の論理は明快で美しいです。その論理の美にさらに言葉、絵、リズムの美しさが加われば、その美しさはどれほどのものになることか。そんな夢のような美を体現したのがこの絵本です。
いろんな生きものをよく見てみよう、ミミズやヘビやウナギは円柱形だ。人間だって指、胴体、足と分解すれば円柱形になる。では、なぜ生きものは円柱形でできてるんだろう?その理由はこれ、さらにこんな理由もあるよ……と、なんと明快な論理展開なのでしょう。論理の美に酔いしれてしまうではありませんか。