- 作者: 那須正幹,タカタカヲリ
- 出版社/メーカー: 日本標準
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 那須正幹,小林敏也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/10
- メディア: 単行本
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「青頭巾」は、寵愛していた稚児が亡くなったために気が狂った僧が、稚児の死体を食べて食人鬼となる話です。那須版では僧と稚児ではなく老婆と孫娘になっていますが、愛によるカニバリズムというテーマはそのままです。しかも、「青頭巾」というタイトルから「青ひげ」を連想したのか、終盤におそろしく猟奇的な場面を追加し、原作よりもひどい結末を迎えさせるという手の込みっぷり。「夢応の鯉魚」も原作からして怖い話ですが、那須版はもっとひどくなっています。
「浅茅が宿」はヒロシマの話に書きかえられています。満州から帰ってきた男が故郷の広島で妻と再会するが、一晩過ぎると焼け跡しかなかったという話になっています。焼け跡に立った即席の市で少女がたばこを売っている様子などの生活描写にリアリティがあり、それだけにこの出来事の重みが胸に迫ってきます。今回の原発事故の直後に那須版「浅茅が宿」が再び世に問われたことの意味も、検討されなければならないでしょう。