- 作者: MAC,岸田メル,なかがわいずみ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本
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ブライアンおじさんの紹介で高級レストランを任されることになったクエントン。ブライアンおじさんはミスター・フーの手下だったので、どう考えても裏がありそう。案の定クエントンは陰謀に巻き込まれることになります。
成功と挫折・家族との確執と和解・恋愛などベタな物語をスピード感のある展開で見事にまとめ上げています。特にクエントンとエイミーのラブコメがほほえましくてすばらしい。1巻と同様娯楽読み物としては申し分のない作品になっています。毎回下ネタを入れるのがお約束になりつつあるのもよいです。
娯楽性に隠されていますが、ニューヨークの複雑さや多様性もモチーフのひとつになっています。クエントンの母親は南部の黒人の名家のお嬢様でしたが、反対を押し切って出世の見込みのない白人と結婚したため、家族から絶縁されています。母親は父親に倣ってユダヤ教に改宗したのですが、教会で母親やクエントンは「本当の意味でのユダヤ教徒」ではないと差別されています。このあたりの事情はよくわからないので、訳者あとがきなどで解説を入れてもらいたいところです。