『マリア探偵社 邪鬼のキャラゲーム』(川北亮司)

はいはい、あんたたちは、愛と正義のために。あたしはお金のためによ……

「マリア探偵社」最終巻。地方自治体のゆるキャラ募集をめぐる不正事件の真相にカオリンが挑みます。
2000年の『消えたCMタレント』から始まったシリーズが、25巻で完結しました。ソフトカバーの児童書が長編化するなかで、1話完結方式でレベルの高い娯楽作品を提供し続けた貴重なシリーズでした。さらには、「愛と正義」を衒いなくテーマとして掲げる理想主義と娯楽性を両立させているという意味でもすばらしいシリーズでした。
現代的な感性で大衆少年小説の王道を進んだ川北亮司が次にどのような手を打ってくるのか。「マリア探偵社」の完結は惜しまれますが、次の作品を楽しみに待ちたいです。