偕成社のホラーアンソロジーです。収録作の中から面白かった作品をいくつか紹介します。
- 作者: 加藤 純子,中山 聖子,濱野 京子,河合 二胡,椰月 美智子,日本児童文学者協会,スカイエマ
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2013/02/08
- メディア: 単行本
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「はざまの図書館」(河合二湖)
電車を乗り過ごすと行ける不思議な図書館に迷い込む話。教育的な児童文学では、癒しや成長の契機としなければ「逃避」を描くことができません。しかし河合二湖は、「逃避」することそれ自体の豊かさを描ける才覚を持っているようです。ぜひこの路線をきわめてもらいたいです。
- 作者: 末吉暁子,にしがきようこ,佐藤佳代,ばんひろこ,越水利江子,日本児童文学者協会,黒須高嶺
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2013/03/16
- メディア: 単行本
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「天までの距離」(佐藤佳代)
人間の手の甲にデジタル表示の数字が見えるメガネを拾った少年の話。死神との戦い(と敗北)という古典的なフォーマットを、現代的な感性で処理したスマートな作品です。
「不思議駄菓子屋」(廣嶋玲子)
怪奇現象なんか全然怖くありません。給食を取り上げて空腹感で相手をいたぶるといういじめの手口が怖すぎます。
「消失ゲーム」(田部智子)
人から不可解な好意を持たれることの薄気味悪さが描かれています。
- 作者: 日本児童文学者協会,丹地陽子
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2013/03/16
- メディア: 単行本
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「スモークツリーの花のあと」(高田桂子)
化け物から病弱なきょうだいへの憎しみを煽られ、呪いをかけるように誘惑される話。話としてはありがちですが、誘惑してくる化け物の得体の知れなさが尋常ではありません。スモークツリーの木の下に出没する、妹を9人も引き連れた化け物。なんなんですかこれ。
- 作者: 日本児童文学者協会,アカツキウォーカー
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2013/03/13
- メディア: 単行本
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