『赤いろうそくと人魚』(小川未明)

赤いろうそくと人魚 (パール文庫)

赤いろうそくと人魚 (パール文庫)

パール文庫第5回配本は、小川未明童話集です。パール文庫創刊時に発表されていたラインアップの中ではもっともメジャーな作品だったので、逆に異彩を放っていました。
収録作品は以下の通りです。

「北の少女」
赤いろうそくと人魚
「気まぐれの人形師」
「二度と通らない旅人」
「珍しい酒もり」
「ふるさと」
「寒くなる前の話」
「雪くる前の高原の話」
「雪の上の舞踏」
「雪と蜜柑」
「雪でつくったお母さん」
「雪消え近く」
「奥様と女乞食」
「はまねこ」
「死と自由」
「少年と猫の子」
「月と海豹」
「南方物語」
「北の不思議な物語」
「北の春」

北方!雪!死!という、未明極寒特盛りできましたよ。それにパール文庫史上もっとも露骨な萌えイラストが付けられているので、作品をどう受け止めていいのか悩んでしまいます。さすがはパール文庫、なにを考えているのかまったくわかりません。
今回の配本分から解説と注釈が付くようになり、イラストの数も大幅に増えたので、不満点がなくなりました。帯で新たな*110作品の刊行予定も発表されました。今年もパール文庫から目が離せません。

*1:といっても、当然ながら著作権切れの作品。