『悪い子のすすめ』(グリゴリー・オステル)

悪い子のすすめ

悪い子のすすめ

カエルを棒でなぐろうぜ
そりゃもうすごく楽しいぜ
ハエの羽などむしってしまえ
やつらはちょこまか歩けばいいさ
毎日そうしてきたえていれば
いつかチャンスがやってきて
どこかの国で一番の
拷問係になれるだろう

東宣出版がこのところ強力にプッシュしているロシアの児童文学作家グリゴリー・オステルの詩集です。タイトルのとおりあらゆる悪徳を子どもにすすめる内容になっています。火の用心のために電線をはさみで切ってしまえとか、どうせいつかはハゲるんだから髪の毛を手入れする必要はないとか、へりくつをこねて悪事を推奨しています。
訳者あとがきでは、悪いことをすすめることで逆にそれをしてはいけない理由を考えさせるという教育的意図が説明されています。しかし子どもはそんなものはすっとばして、悪い子の世界を心置きなく楽しむことでしょう。
ソ連国歌や「インターナショナル」のパロディ詩のような危険物も収録されています。元ネタとパロディが原語含めて紹介されている解説が、とても親切です。