『戦国ベースボール 龍馬がくる!信長vs幕末志士!!』(りょくち真太)

戦国ベースボール 龍馬がくる!信長vs幕末志士!! (集英社みらい文庫)

戦国ベースボール 龍馬がくる!信長vs幕末志士!! (集英社みらい文庫)

戦国武将が地獄で野球をする「戦国ベースボール」の第2弾が登場。坂本龍馬率いる幕末志士チーム*1〈幕末レッドスターズ〉(すごくたくさん盗塁しそう)は、戦国武将のような古い人間が野球という近代を象徴するスポーツをしているのは気に食わんというどうでもいい理由で、信長たちに喧嘩を売ってきます。もちろん戦国武将たちが「死後150年くらいの小僧」に喧嘩を売られて怒らないはずがなく、〈桶狭間ファルコンズ〉VS〈幕末レッドスターズ〉の対戦が決まります。ところが〈桶狭間ファルコンズ〉のピッチャーが不在で、またも現世の天才野球少年山田虎太郎が軽いノリで魂を抜かれ、地獄に召喚されます。
史実や伝説を元にしたギャグは、1巻同様さえています。たとえば、地獄のメジャーリーグからスカウトされた「黒船バズーカ打法」という必殺技を持つペリーは、黒船の大砲のように空砲しか打てないというひどい扱い。板垣退助は当然のようにデッドボール要員。ひどい話ですが、歴史を楽しく学べると本だという建前でごまかしましょう。
巻末では、3巻の対戦相手が聖徳太子卑弥呼率いる古代軍になることが予告されています。このへんの人たちも、当たり前のように地獄落ちしてるんですね。虎太郎くんもすでに地獄に落ちることになじんでしまい、最後は仲間たちと「またね!」と言い合う始末。このおばかな調子で、長くシリーズを続けてもらいたいです。

*1:明らかに幕末志士じゃない人がまじっているが、当然ギャグの伏線になっている。 http://miraibunko.jp/special-book/archive017/