- 作者: 濱野京子,小塚類子
- 出版社/メーカー: そうえん社
- 発売日: 2015/10
- メディア: 単行本
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真面目な性格がたたってクラスでめんどくさい役ばかり押しつけられる規子は、ただでさえクラスでうまくいっていないのにさらに美蘭にひっかきまわされます。近所の男子を無駄にたらしこんだり、仲のいい女子に規子の悪口を言うように煽ったりと、やりたい放題やらかします。
しかし、美蘭は本質的に嘘つきなので、彼女の言動はいい方に解釈しようとすればできないこともありません。公道で騒げるのが楽しいという理由で反原発デモについていこうとしたりする美蘭に振り回されるうちに、規子は他人の多面性に気づくようになります。
地域性の問題がクローズアップされているのも興味深いです。美蘭が住むのは首都圏だけど田舎で、常に周囲から監視されているような居心地の悪いところです。
そして、規子が住むのは少子化で有名な神田。小学校は学年に1クラスしかなく、人間関係がシャッフルされないという窮屈さを抱えています。しかも、高学年ともなると受験組と非受験組の分断もできて、地獄感が倍増します。都市部の少子化問題を取り扱う児童文学は、今後増えてきそうです。