- 作者: 森川成美,スカイエマ
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2015/09/15
- メディア: 単行本
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第1巻で未解決だった問題がだんだんと深められていっています。前巻で唯一外の世界を感じされる存在であった小舟でこっそり交易をする女ナータが、敵か味方かは判然としませんが当面のアサギの導き手になります。共産的な村で育ち商いという概念がよくわからないアサギからは、ナータはとても神秘的な存在に見えます。ナータの小舟に乗せられて初めて大きな川を見てびっくりし、世界にはもっと大きな海というものがあるのだと聞かされる場面の、世界が開けていく感じがよいです。
しかし、交換のある世界がアサギの村よりましかというと、そうもいきません。到達したとが村には、〈生き口〉と呼ばれる人身売買制度のようなものがあり、それが神隠し事件と関わっていそうなことがわかります。
ということで、上野瞭っぽいディストピアものに展開しつつあります。ぜひ上野瞭を乗り越えるような結末を見せてもらいたいです。