(077-15)怪談収集家 山岸良介と学校の怪談 (ポプラポケット文庫)
- 作者: 緑川聖司,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: 単行本
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今巻で登場する怪異のひとつ傘女は、「赤い傘がいい? 青い傘がいい?」という選択を迫ってきます。赤い傘を選べば傘で刺され血まみれになって死に、青い傘を選べばやはり傘で刺され失血により青くなって死んでしまいます。両方の傘をもらって自分が傘女に成り代わるという選択肢もあらかじめ怪談のかたちで提示されていますが、もちろんこの回答は間違っています。
第3巻の浩介はすでにある程度怪談のパターンを学んでいるので、いままでの経験から対処法を考え出そうと苦心します。それは、怪異側の仕掛けるルールの裏をいかにかくかという、頭脳戦となります。その思考の過程を楽しむのが、第3巻のポイントです。
ただし浩介は、いままでの経験で間違った学習もしてしまっています。第2巻で「バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ」という策を山岸良介から学習した浩介は、それを実践しようとしてしまいます。
- 作者: 山本清史,白石晃士
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 単行本
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さて、この「怪談収集家」第3巻のもっとも大きなサプライズは、次回予告にありました。「本の怪談」シリーズとあわせて長いシリーズとなりメタにメタを重ねてきた緑川聖司の怪談は、優れた怪談論であると同時に、優れた物語論にもなっています。この次回予告により、緑川聖司の壮大な試みへの期待がさらに高まりました。