- 作者: アレックス・ジーノ,島村浩子
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2016/12/13
- メディア: 単行本
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- 作者: E.B.ホワイト,ガースウイリアムズ,E.B. White,Garth Williams,さくまゆみこ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2001/02/10
- メディア: 単行本
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がさつなようで気のいい兄のスコットや、女子の親友のケリーの存在は救いになっていますが、それでもなかなか本質的な問題は理解されません。スコットは主人公が隠しているのは"やらしい雑誌"だと早合点して、母親には秘密にすると約束します。ケリーは悩んでいる主人公の助けになると思ってフェミニズムの話をしてあげますが、これも的外れです。
主人公は自分が女であるということには迷いを持っておらず、医術的な措置を受けたいというはっきりとした希望を持っています。物語の序盤でテレビに出ている女性の「わたしはトランスジェンダーの女性で、わたしの足のあいだになにがあるかは、わたしとわたしの恋人以外の人には関係ない」という発言を出すことで、作品のPC的立場も早い段階で明確にしています。そのため、いかに自分が自分であるということを身近な人たちに認めさせるかというところに、物語の焦点は絞られます。あれもこれもやろうとせず、シンプルに物語の道筋を打ち出したことが、作品の成功の大きな要因になっています。
小説ならではの演出で主人公を祝福したラストシーンは、解放感に満ちていて読者の心を強く揺さぶります。
このようなテーマの優れた児童文学はまだまだ少ないので、小中高の学校図書館にはぜひ入れておいてもらいたいです。