- 作者: 秋木真,晴瀬ひろき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/01/12
- メディア: 文庫
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早見風花と新見明人、たったふたりのオカルト同好会が悪魔召喚の儀式を成功させます。小さくてあんまり怖そうに見えない悪魔キルケをしもべにし、ついでに運悪く儀式の現場を目撃してしまったおとなしい女子相坂水春を同好会の仲間に引きこんで、いろいろな騒動が巻き起こります。
ストーリーの展開が早く、開始10ページほどで悪魔を召喚し、お約束の弱小部活と生徒会のケンカもあり、最後に幽霊屋敷の探検まで済ませて、あっというまに大きく分けてみっつのエピソードをこなしています。
主人公の風花は、大好きなオカルトのこととなると突っ走ってしまう暴走体質。悪魔を自宅に連れ帰るとなんのためらいもなく言って、オカルト仲間の明人もドン引きさせてしまいます。オカルトに入ったきっかけは『遠野物語』で、中学1年生にして柳田国男を読み込んでいます。将来有望です。
肝心の悪魔キルケは、中学生たちがなにも願い事をしてくれないので、魔界に帰ることができず困り果ててしまいます。そしてすぐに現代日本の文明に敗北。コンビニのロールケーキや携帯ゲーム機を与えられて手なずけられてしまいます。いまのところキルケは、不憫なキャラになっています。
他のキャラクターも立ってきたら、さらに物語は盛り上がってきそうです。たくさんの子どもを楽しくオカルト沼に引きこむ作品になってもらいたいです。