『春の嵐 ペンダーウィックの四姉妹4』(ジーン・バーズオール)

「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズ第4弾。長女ロザリンドはもう大学生、来年は次女スカイ、再来年は三女ジェーンも大学に入学します。上の3人はだいぶ大人に近づいてきました。ということで、4巻で主にスポットライトを浴びるのは、もうすぐ11歳になるの四女バティになります。大きくなってどちらかというと常識人ポジションに落ち着いたバティは、姉3人と弟妹に挟まれてけっこう難しい立場になります。特に2歳の妹「ばくだんたんぽぽむすめ」のリディアが暴れん坊で、いつベビーベッドから脱出するかわからず苦労させられます。さらに、3人連続で大学に入れなければならないのでペンダーウィック家に軽い経済的危機もやってきて、バティも「ペンダーウィックなんでも屋」を開いてお金を稼がなければという心配まですることになります。
ところが、バティにはさらに過酷な試練が待ち受けていました。母親からエリザベス・ペンダーウィックという名前を受け継いだバティと、容姿を受け継いだスカイ。歌の才能が開花しかけていたバティですが、声を出せなくなってしまうくらい精神的に追いこまれてしまいます。
今回は、年長の3人を含んだMOPS(ミーティング・オブ・ザ・ペンダーウィック・シスターズ)がなかなか開かれません。これにより、姉3人が大人になって変わってしまったのではないかと読者は心配させられます。
それだけに、MOPSが開かれて一気にシリアスな空気が消え去る展開に救われます。ロザリンドもスカイもジェーンも全然変わっていませんでした。特に4巻で空気だったジェーン、読書感想文の件はいい加減に学習しろ、いつまでもそのままのジェーンでいてください。
今回はとくかく、「よかった、よかった」という感想しか出てきません。