『内田麟太郎詩集』(内田麟太郎)

少年詩を中心に内田麟太郎の代表詩をまとめた詩集。自筆年譜やエッセイ、矢崎節夫や菊永謙による評論も入っており、詩人でありナンセンス童話の第一人者でもある内田麟太郎の輪郭を手軽に学べる本となっています。
さめがさめざめないたり、さばがさばかれてさばさばしたりといっただじゃれが言葉を解体し、言葉があっちへ寄り道しこっちへ寄り道し本筋に戻ったり戻らなかったりするさまを楽しませてくれます。
さらに突き進むと、言葉というより純然たる文字までおもちゃにしていきます。

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これをわにの虫歯であるとしたり、画面いっぱいに同じひらがなを並べてみせたり。
子どもたちを言葉の世界の奥深さに導くために、内田麟太郎は誰よりも純粋に言葉とたわむれてみせます。