『こちら、ヒミツのムー調査団! その少年はUFOから来た!?』(大久保開/作 ムー編集部/監修)

小学四年生のナオトたち図書委員三人組が、年齢も性別も不明な謎めいた司書の先生の不在中に図書準備室に入ったところ、羽の生えたツチノコのような化け物を目撃します。戻ってきた先生に口止めされますが、ナオトは正直に自分は口が軽いから言いふらしてしまうかもと言います。ここで先生は、「ならぎゃくに、いいふらしてもらおうか」と、『ムー』という雑誌を見せてきます。実に自然な流れで『ムー』が登場しました。先生はこの雑誌のようにオカルト記事の載った新聞をつくるように提案します。そうすれば、そんな記事をつくる人の発言は信用されなくなるからかえって安全なのだと。『ムー』ってそういう扱いでいいのか……。
その後三人組はミステリーサークルの調査に赴き、薄紫色の髪をした文字化けみたいな名前の少年や、サングラス姿のオカルトに詳しい怪しいおじさんに出会います。
マスコットキャラや怪しげな大人たちが、いい具合にムー的世界に導いてくれます。余計な要素は付け加えずに、作品が読者をムー的世界の魅力の入り口に連れていくという役割に徹しているところに好感が持てます。