「妖怪サーカス団がやってくる!」(藤野恵美)

妖怪サーカス団がやってくる! (エンタティーン倶楽部)

妖怪サーカス団がやってくる! (エンタティーン倶楽部)

 2006年2月に「怪盗ファントム&ダークネス EX−GP3」、3月に「七時間目の占い入門」、そして4月にこの「妖怪サーカス団がやってくる!」。気が付けば三ヶ月連続リリースじゃないですか。しかもすべて違う出版社から出しています。いつの間にか藤野恵美が売れっ子になってしまった。うれしいけどちょっと寂しいです。そりゃこれだけ力のある若手を出版社が見逃すはずないもんなあ。
 鬼の子供のまめ太がサーカスに売られて苦労するお話。サーカス団員はみんな妖怪で、サーカスのほかにも裏の仕事がある模様。まめ太がサーカスの秘密を知り、サーカス団の一員として認められるまでが描かれています。
 マイノリティの象徴として妖怪を使う伝統的な手法をきっちりとものにしています。それぞれの妖怪を個性豊かに描く手腕も藤野恵美ならでは。シリーズものの第一巻ということで、この本は設定の紹介とキャラクターの顔見せ程度で終わってしまったのが少し物足りないですが、そこは今後に期待です。